1.10
「桂林山水甲天下」(桂林山水、天下に甲たり)
「山青、水秀、洞奇、岩美」
(桂林の山は青く、水のすんだ大きな川が流れ、変わった洞窟があり、岩は美しい。)
(桂林の山は青く、水のすんだ大きな川が流れ、変わった洞窟があり、岩は美しい。)
これらは桂林の美しさを称える言葉だ。
旅の刺激に対して鈍感になりつつある自分も桂林は十分楽しみだった。
今まで自然遺産はたくさん見てきたけど、その土地ごとにイメージが異なる。中国の自然を見るのは初めてだったけど、僕のイメージでは、中国の大地が織り成す景観とその雰囲気は少し特別だ。
北南米やアフリカはとげとげしく、強くて、少しおこった顔の自然。
日本はなんかやさしい顔をした笑ってる自然。
中国は無表情で、動じない芯がある自然。
あくまでイメージだけど。
原始の人は皆自然の中から、信仰や神を見いだしていたとされるが、
自然は神と読み替えても、それはそのまま今の宗教につながっている気がする。
桂林は中華人民共和国広西チワン族自治区(どこやねん)にあり、現在は空港もあるしアクセスしやすいが、昔はもっと秘境の要素が強かったんだろう。
外気温と差のない簡素な部屋は、
長ズボンを4枚はいて、長袖を5枚着て、寝袋と布団を着ても寒い。
年末のアメリカ、ヨセミテでさえ、恥ずかしくて取り出さなかった腹巻を取り出した。
こんちゃんにもらった、恥ずかしいイチゴ柄の腹巻だ。
今考えればあれだけ着てたから逆に血流が悪くなったのかもしれない。
寒すぎて朝起きるのにとても時間がかかった。
桂林の後は成都に行って、チベットに行くのもいいと思ったが、
ここがこうならラサは凍てつく寒さだろう。
一旦ネパールまで行って中国に帰ってこようかな。
頑張ってシャワーへ。ゆっくり浴びていると、お湯が水に変わっていく。
シャンプーを流しきらないときに水に変わったときなんて最悪だ。
もう修行だと思うことにした。
12元は安いから納得はしている。
散らかりきった部屋。 |
外に出ると、すぐに逃げ込むように朝ごはんを食べにお店に入った。
中国の飯は、旨く、そして安い。
そのバリエーション豊かな食から見ても、中国の文化は深いのがわかる。気がする。
朝から食べる猪肉の餃子があっさりしていて、これがうまいのなんの。
夫婦で経営していて、注文をとりにきてくれるのはとってもきれいで、やさしいおばちゃんだった。
中国人は野菜をちゃんと食べるからか、年をとっても肌がすべすべの人が多い。
ローカルレストランでは10元あればかなりお腹いっぱい食べられる。
宿が中心から離れているためもう、現地人以外絶対に行かないような店だけれど、
なかなか気に入って、桂林滞在の朝は必ずここで餃子と、桂林名物のビーフンや炒飯を食べた。
うまい。 |
その後、桂林の町を歩いて、情報収集。
桂林は、うちのじっちゃんばっちゃん、とーちゃんかーちゃんも30年前にそろって訪れた、
古くからある中国きっての景勝地である。
水墨画に描かれる、仙人の住むようなそびえたつ岩山がある街だというので、
どんなだろうとあれこれ想像していると、中心部はかなりの都会で、
バスターミナルは排気ガスくさく、大通りにはたえまなくバスや乗用車が走り、ケンタッキーなんかも4個くらいあるわで、意外だった。
若者の街って感じだ。
中山中道 |
市バス。 |
昨日バスで深く眠っていたので、どんなところを走ってここに至ったのか検討がつかないのだが、いまはすっかり開かれてしまった桂林も、霧に包まれて、遠くを見渡すことができず、辛うじて確認できる岩山は、どことなく妖しい印象を与える。
向こうの山がかっこいい。 |
多くの旅行者は漓江という川くだりをするのでその価格を調べたところ、少し高かった。
かといって他にどうすればいいのかわからないので、ネットで情報を調べて、
マックでインターネットが無料でできた。便利な世の中ですね。
今後の計画を立てているうちに、夜になって、極寒のベッドに舞い戻った。
中国本土に入ってからは、ご存知青島ビールと桂林ビールのLiQが僕と寝床を共にしてくれた。
少し薄い気もするが、ビールなら正直なんでもいい。
たくさん飲んで、酔っ払った。
今日一日何したっけーと一生懸命思い出してみたが、
liQ。 桂林のビール。 |
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