2010年10月18日月曜日

10.8

この日は朝からとしさんと会って飯を食った。
ちょっと話しただけだったけど、気があいそうな気がしてた。

医療機器メーカーの営業をやめて世界一周の旅に出た人だ。
業界の話で盛り上がれることもなんか楽しかった。

向こうはもう32歳なのに、一切年を気にせずに打ち解けるのは旅の連れならではだと思う。

彼はとっても印象に残る話をしてくれた。
旅に出る社会人は多くが会社をやめたり、休んだりしてくる。

------世界一周に行きたいという、大義もなく、拍子もない夢をあきらめなかった人には、その人なりのドラマがある。僕だって、あっさり医学部を留年して旅に出ようと決意できたわけじゃない。
というか、もうちょっとで諦めるとこだった。

でも、いろんな人が協力してくれたし、大げさに言えば、日本で待っててくれる友達がたくさんいる。
いろんな人に迷惑をかけても旅に出てよかったと、言える。
もちろん全ては、僕の周りで生きていてくれている人や環境のおかげだ。

ただ、年齢が上がればそれだけ、こういう行動は難しくなる。
おそらく、学生の僕が想像するより、彼にとって大きな挑戦だったんだと思う。
東証一部上場企業に勤めるとしさんは、生活に何不自由なかったが、
60歳までこの会社で働いても、笑って死ねないと本気で思ったらしい。


旅に出たいという夢を持ちながらも、
30歳までに行動にうつせなかったことで、一度は諦めたらしい。
忘れた、忘れたーって。

「それでも、あきらめられなかったんだよ。でも度胸がなかったから、なかなかできなかった。必要なのは度胸だけだったのに。だいそれたこと人生で一回もしたことなかったからさ~オレ」

とつぶやく世界一周中の彼の目は年下かと思うぐらい、キラキラ輝いていた
長旅に出ることは、かっこいいことでも、ほめられた事でもない。

羨ましがる人に対して、
「じゃあ、やったらええやん。行動力だけ」とは絶対いわない。

それはうまくはいえないけど、
僕の夢は、誰かの夢の上で可能になったものだし、
僕が今立っている場所は、誰かが立つはずだった場所だからだ。
平たく言えば、僕は環境に恵まれています。
とくに人に、ね。

夕方になったころには
お互い、あんまり普段話さないようなことまで話すようになった。
短かったけど、いい出会いでした。
彼はその晩ドイツに立った。
僕のウィーン出発は翌日に持ち越すことになった。
ウィーン高いよ~(一泊19ユーロ)泣


その夜、ウィーンは音楽の都だからと、オペラを見に行こうかなと考えていた。
席を取ると、とっても高いけど、立見席はなんと破格の4ユーロ。

ぜんぜん興味ないけど、見とこうかなぁという貧乏根性が出てくる。

3時間立ちっ放しで、しかもドイツ語でオペラを聞くのは正直気がすすまないなぁ・・・

でも、せっかくやから・・
で、一度はいくことに決める。

そのうち、やっぱりあんまり気が進まないな~
やめとくか!!と心が決まると、変に心が軽くなったりするわけだ笑

誰に強制されていたわけでもないのに、不思議なもので。
定番をやっとかないと損な気がしてしまうのがとっても貧乏な精神だと思う笑


つまりこの日は結局、としさんとだべって、身の回りのことをしてそれで終わりでした。

ホステルのフリースペースで談笑中のとしさんと僕。

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