2010年11月20日土曜日

11.15

11.15
エル・カラファテ発エル・チャルテン行きのバスは朝8時発。
「エル」ってのはスペイン語男性名詞の冠詞だったっけ。わからん。



なるほど。
地球の円周約4万キロなので、
日本のほんとの反対側って感じしますね。




間ほとんど寝てたのであんまり途中の景色見れず。


11時半にチャルテンに着いた後、やることはいっぱいある。


天気がいいから今日出発したい。ゆえにこのでっかい荷物をどこかに預けたい。
そんでマップを手に入れてルートを計画して、
テントやストーブ、食器をレンタルしなくてはいけない。
バスが寄ってくれたインフォメーションにて、乗客が英語とスペイン語に分かれ、軽いガイダンスを受けて地図をもらえる。
20人くらい乗客いたのに僕以外全員スペイン語。そんなにスペイン語って流行ってんのか?笑
スペイン語訛りの英語で説明を受ける。


水はもちろん川や湖から飲んでオッケー。
止むを得ない便意は水場から遠ければ、可。そのかわりちゃんと埋めること。
動物に会ったときは危害を加えないこと。
特にピューマ。
ピューマ?パタゴニアにはピューマがいるらしい。怖いなあ。
あいにく僕の靴はナイキだ。
関係ないか~。
ルートもなんとなくわかった。
エル・チャルテンは小さいけど、どこかほっとする街。トレッカーが多い。
ハイジ発見!!
こんな服の配色じゃなかった?




バスターミナル近くのユースホステルに聞いてみると、山から帰ってきて一泊するなら荷物を二晩置いてくれるとのこと。大きいゴミ袋にいらない荷物を詰めて、あとはレンタルショップ。
テントが一晩30、クッカー10、ストーブ10ペソでレンタル、ガスは30ペソで購入。
借りたもの。
バックパックは返却しました。
それを全部バックパックの中に入れると、なかなか重い。はりきって食材を持って来すぎたw。パスタ500gにじゃがいも2、トマト、リンゴ2、タマネギ、スープ各調味料、チーズ10枚、ハム10枚、お弁当、フランスパン3本、チョコレート、クラッカー、ポテトチップス等もろもろ。


こんなにいらんやろー笑
さあ、山に向けて歩き出したのが13時。


村からトレッキングコースへと抜けるゲートをくぐるころにはおなかがすいていた。
そこで一回目の休憩。
サンドウィッチをほおばる。



ええ。今日も麻のボロ切れをまとってますとも。




もう目の前はハイジの国の景色だ。ここは南米だけど。
14時に入山しました。
ゲート前からの風景。
左の山を右手から迂回していくトレッキングルート。
ゲートをくぐって歩いていきます。




トレッカーともそんなに会わないので、一人で歩いていきます。
この日は非常に天気がよくて風も強くなく、鼻歌でも歌いたくなります。
最初ののぼりは少し息があがったけれど、それを越えると結構平坦な道。雄大な展望に見とれてしまって、何回もつまずきました。
すがすがしい初夏のパタゴニア。
絵みたい。
低い草の生える平野をパンパというようです。




たんぽぽが咲き乱れる小道を歩いていると、とてものどかな気持ちになってくる。
しかし一たび、ここがアルゼンチン南部の山奥なのだと思い出すとなんかおかしくなってくるのですが。

寄り道したカプリ湖で、目的地の姿が見えた!!

雲から頂上が出ています。
すぐに雲に覆われちゃいました。


垂直に切り立ついかめしい岩山。
いつも煙を吐いているように頂上付近が雲に覆われていることから「エル・チャルテン(煙吐く山)」と呼ばれているくらいで、この季節頂上がしっかり見えることがまれらしく、ラッキーだった。
トレッキングは一人がいい。
今見てる風景が自分だけに見えているっていう感覚がいい。
道は間違えようもなく、トレッキングルートは結構整備されていた。
近づくにつれ迫力を増す。
こういう橋も渡ります。

見飽きない山々。


途中にあるpoincenotキャンプ場(無料)に到着。
キャンプ場といっても、仮説トイレがあるだけの、テントが張れる平らな森って感じです。
すぐにテントを張る。
建て方これであってるんかーとか思いながらも、うまく固定できたみたいだったので、かばんを置き身軽になって、フィッツ・ロイを間近で見られるビューポイント、トーレ湖に向かう。


なんか頼りないテント。
僕の他にもキャンパーがいました。

テントサイトから。
木は風からテントを守ってくれます。

水場が頻繁にあるます。
とってもおいしい水です。




ここから先の道はなかなかに険しかったが、それでも1時間半くらい。この間は、フィッツ・ロイを初め他の山々は、いったん姿を隠す。
背後に広がる景色。
ずっと遠くまで見渡せるようになりました。

大学のサッカー部で週4回練習していたころよりは体力が落ちているけど、そこは気合い。
途中、残雪の近くを通る。雪解け水に触ると、手がしびれそうなくらい冷たかった。
残雪が光を反射してまばゆい。
結構岩場です。
もうちょっとー。




山は、頂上に着いた瞬間に、全てが開ける。
視界を占めるものが、後ろの平野と急な斜面だけだったのに、その瞬間を境に、その向こう側があることを知る。
地図のない昔の旅人や冒険家はこんな風に、もっとその先を目指したんだろう。
太陽と、雲と、フィッツ・ロイ。
急峻な岩壁に、冷たい風があたり、
常に雲が生み出されては流れていきます。
雪がまだまだ残っています。

着いた丘の頂上からは、フィッツ・ロイが間近で見られた。


風が絶え間なく強く吹いている。
地球の上に吹く風が全てここから生まれて、ここに帰ってくるような。
まだ風となって地上を旅する前の、新しい空気の匂い。



まるで人間など相手にはしていない、厳しい岩山。雲にとりまかれたフィッツ・ロイの威容は圧倒的だった。畏敬といえばいいか。


極めて日本的だが、なぜかお辞儀したくなるような感覚。


人間がつくった遺産を見るのもいいけど、やっぱり自然の方がいい。


それは多分、自然には一切の意図がないからだ。
ただそこに存在する。
それだけ。
僕にも、違う誰かにも、どこかの国の偉い王様にも、等しく何も意味を強要しない。


人に関するよこしまなものが何も入っていない、
無邪気に信じていいものが自然の中にはある気がする。


だからどんな聖堂や、町並みよりも心を動かされる。


あんまりうまく書けないや。




丘を少し下ると、完全に凍っているトーレ湖。


それを左から回り込むと、氷河からの水が崖から落ちる、滝が見られる。
その滝つぼは、なぜか毒々しい色の水を湛えている。何かのイオンが溶けているのかな。



トーレ湖。
真夏になると溶けてちゃんと湖になります。

氷河からとけ出した水が滝となって落ちてできたこれまた湖。
なんでこんなに青いのか。


しばらくフィッツ・ロイを眺めて、頂上が出るのを待っていたが、もう夜中の7時だったし、気温も下がってきたので下ることにした。キャンプ場からでもこの姿を見られるし、一泊するのだから天候待ちもできるのだ。



フィッツ・ロイの雲が消えるのを待つ。
この自撮りをしているところを想像しないでください。


最近ずっと一人だから、自分の写真が少ないので
アメリカ人トレッカーととりあいっこ。






下り、キャンプ場につく。暗くなるのは22時くらいなのでそれまでにゆっくり料理しようと思った。
なべとストーブ、ガスもあるし、異常なくらいの食材を持ってきた笑
料理しようとして気づいたのだが、必須のフォーク、スプーンを下界に忘れてきた。なんたる空回り笑。あるのはなぜかナイフだけだ。ナイフでパスタが食えるか。ナイフ・・・。
考えればどうにでもなるもので、落ちていた枝を削ってみると、かなり味のあるおはしが一膳できた。なんかアウトドアって感じがして楽しい。
天然のおはし。

自炊中。

自炊中。
室内料理はそんなにですが、
野外での料理がたまらなく好きなんです。




パスタは野菜スープの粉を使って、じゃがいもやタマネギを入れて作る。
外は寒いのであったかいものが美味しく感じる。ああー幸せ!
食後はおやつを食べて、ヘッドライトで読書。テントの中にいるのが昔から大好きだ。


それにしても、寒い。風がとても強くなってきた。簡易なテントのため、保温がうまくいっていない。
もてる限りの防寒をし、寝袋も日本のモンベルで買った高価なやつだが、軽量性、コンパクト性を意識しすぎているせいで、キャパオーバー。寝袋のレンタル料けちるんじゃなかった・・・
寒いのでもう寝ることにした。まだ23時くらいだった。




明日はセロトーレっていうもう一つの山の近くに行ってもいいけれど、
フィッツロイの見えるこのキャンプ場で頂上が見えるまでもう一日待つかなぁー。どうせ山中二泊するし。
疲れていたので、コンタクトもはずさずに寝てしまいました。
次の日、僕はまだまだ山中泊をなめていた事を知ることになる。

続く

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