プーノから、クスコへの道中はとっても寒かった。
その寒さはもはや異常だった。
しかも二階席の一番前の席で、前も右側もガラス張りでとっても冷たい。
我慢していたが、何度も寒さで目が覚めた。
これは風邪ひくんじゃないかと思った。
左に子連れお母さんが座っていた。
シートを倒し、インディオの女性が皆持っている派手な風呂敷と、
大きな毛布をかぶってぬくそうに眠りいっている。
彼女たちを横に僕は凍えそうだった。
購入していたアルパカの手袋や、ヒートテックを着ているのだが、まるで歯が立たない。
僕はいつも車内の防寒着には気を使っているのだが、これは寒すぎる。
僕は我慢できなくなって、左隣のインディヘナお母さんの毛布にほんの少しだけ潜り込んだ。
イスラムやインドの女性にもしこんなことをしたらもう大顰蹙を買うし
白人女性だったらきれるだろう。
次起きたときには、もう寒くなかった。
彼女がその毛布をかけてくれたからだ。
バスの席で、インディオキッズとそのお母さん、そして僕は一緒の毛布で眠った。
そういうナチュラルなやさしさに、毎日続く激しい移動によって、すさんだ心もやわらかく解けていく。
ここの人たちは寛容なので嬉しくなった。
クスコに着いたのは早朝の2時。
バスターミナルの客引きが10ソルでホットシャワー、wifi、キッチン有りの宿を
宣伝してきたので、ついていくことに。
インディヘナの客引きはいい人が多いと僕は経験から決め付けている。。
タクシーに乗って着いた先は中心から1kmほど離れ、宿というよりは一般家庭が住む家。
三階建てのその民宿は子どものためのアルファベット表がリビングに張ってあったり、
キッチンはその家庭も一緒に使っているものでした。
観光客はなぜかほとんど泊まっていません。
微妙なところに来てしまったなというふうな第一印象でした。
地球の歩き方に乗ってる宿、少し高いからまあいいか。
本当に10ソルでちゃんとした設備があるのかとか、色々疑問を持っていたのですが、結論から言うと、設備は決してよくなかったが
僕はこの宿にすっかりはまってしまい、
さらに街の雰囲気にはまってしまい
珍しくここクスコで4泊もすることになったということです。
一つの街に4連泊することはこの旅で初めての経験です。
ところが、ブログのために文章にしようと思うと、これが困る。
クスコに来る旅行者の90%位はここからアンデス山脈中を数時間移動した
世界中の憧れの大遺跡「マチュピチュ」へ行く。
しかし僕はクスコから動かず毎日、同じようなことをしていたからである。
マチュピチュなどの遺跡には、あんまり興味がなかった。
ここまで来たんだ!!これこそ南米!!みたいな感じは確かにあると思う。
でも、遺跡に関してはビデオを見ていたほうがおもしろいんじゃないかと、
僕は思ってしまう気がするのだ。
マチュピチュに今も生活している人はいない。
今も生きている街が好きだ。
クスコから安く、日帰りで行けるなら喜んで行ったがマチュピチュへ向かう電車は往復1万以上かかる。ペルーの物価からしたらどんなに高いかがわかる。
途中までバスで行ってそこからトレッキングっていうのはそそられたが、
僕の場合、日にちが足りなかった。
マチュピチュに行かなくても、クスコは僕にとって心に残る町だった。
日ごとに分けても同じことを書いてしまいそうなのでまとめての記事にしようと思う。
クスコに来た理由は、
3週間前にここを訪れた日本でお世話になっている先輩の置手紙を手に入れるためだった。
深夜の到着から僕は昼過ぎぐらいまで眠っておきだし外に出ると、
民宿の家族の子どもたちが遊んでいる。
外に出ると、標高の高さが感じられる、抜けるような青が目を洗う。
古い歴史が匂ってくるような石畳が敷かれた狭い坂道を
車が駆け抜けていく。
その度に通行人は左右の幅のわずかな歩道によける。
街の中心はアルマス広場という大きな広場。
そこまではちょっと歩くが、朝昼兼用のチョコレートを買い、
ペルーの定番INKA COLAを飲む。
子どものときに飲んだなんとかっていうジュースに似ていて、僕のお気に入りである。
インカコーラ。 |
ここがインカ帝国の首都だった時代から街の中心だったが、
精巧な石積みで有名なインカ時代の建造物はスペイン風に置き換わっている。
アルマス広場 |
毎日歩いた街に向かう狭いこの道。 |
毎日ここに座って絵を描いている人。 |
負われるこども。 |
30分くらい、後ろの植え込みの中さえ探したが、
見つからなかった。多分風で飛ばされたんだろう。
管理人みたいな人に、芝生の中に入るなと注意されるまで探したが、なかった。
楽しみにしていたのでかなりがっかりした。
後ろの花壇をあさってしまった。 |
中心部ではとてもツーリスティックで、数m歩けば女性に「マッサージ?」と誘われた。
がっかりしながらも、正直そそられないこともなかったが、
マッサージされる金を惜しまないなら、
クスコで何が嬉しくて毎食30円の中国製「出前一丁」を食べるというのかw
さて。
どうでもいいでしょうが、僕がクスコが気に入った理由をあげます。
1ご飯
たいてい出前一丁を食べていたが、
中心部から外れたローカルレストランはおいしくて
100円くらいでかなりがっつり食べられる。
中心部で目に付くピザ屋は観光客向けで、高い。
トルーチャという、ますを揚げた料理がよく食べられる。
魚好きの僕にはたまりません。
あと、アボカド。南米で食べるアボカドは濃厚である。
日本食レストラン「けんちゃん」で食べたその名もインカ丼(トルーチャの切り身+アボカドとご飯)は高いが、これはうますぎた。
ああ、うますぎた。
トルーチャのあげもの。 |
インカ丼。 トルーチャとアボガド。 |
ペルーのお酒ピスコ。 甘い酒が苦手なことを再認識。 |
アメリカで日本から来る友達に会うのでおみやげを買うのが楽しかった。
物価は少し上がるが、ボリビアクオオリティ<ペルークオリティである。
ある店でお気に入りのポンチョを購入するために1時間粘って購入した。
実際180ソルのものを100まで落とした。
時々語気を強め合うなかなかの死闘だったが、戦いの後は仲良く肩を叩き合った。
土曜日にはローカル市場があるというので行ってみた。
治安が悪いと聞いていたが、のんきに一眼レフぶら下げていったら
よく気をつけろと注意された。
なかはもうごちゃごちゃしていて、確かに危ない気がした。
いい感じのセーター(趣味が悪いかもしれない)を購入して、あと靴下も購入した。
他にも買い物たくさんしたが、
おみやげになるのであんまり書かないでおこっと。
土曜市。 |
市場のお店。 こわい。 |
右のおっちゃんに値切り続けて、 買ったポンチョが左の兄ちゃんが着てるやつ。 約3000円。 |
市場の買い物帰り。 おばちゃんのふろしきはいっぱい。 左の人は赤ちゃん入れてる。 |
市場。 ごっちゃごちゃ。 |
野犬5匹を従えて歩く男性。 なんだったんだ。 |
アンデスの楽器ケナ、サンポーニャなど豊富。
僕はケナを市場で買って練習していましたが、酸欠でフラフラになる。
ケナ。 尺八とほぼ同じ。 |
僕はペルーのおだやかでやさしい人たちが大好きだ。
その大人たちの間で、子どもたちが元気で、人懐っこい。
そして目がきれいだ。
僕が滞在した家はもはやゲストは僕しかおらず、
朝起きて1階へと降りると子どもたちがとても嬉しそうに駆け寄ってくる。
彼らと遊ぶのがクスコで一番楽しかった。
一家団欒でご飯を食べ、子どもは学校の宿題をリビングでしたり、
起こられて大声で泣いていたりする。
僕が朝食に食べていたシリアルを一緒に食べたりもした。
インディオキッズは僕が見た中でかわいさ暫定世界一である。
人懐っこいし、素朴だし、元気。
インディオおばちゃんは、子どもをたくさん生んでド派手な風呂敷でいつも赤ちゃんをじかに背中に背負っている。
たいてい風呂敷の中の赤ちゃんは安心したような顔で眠っていて、
それを見るたび僕はほっとした。
お母さんと子どもが肌で触れ合うことがこどもにとって重要だと言われるが、
インディオおばちゃんと子どもは強く結ばれている気がする。
物心がつき、言葉と論理が心を占める前に
母親から与えられる、そういう無言の安心感みたいなものは多分成長の過程でとても大事なんじゃないかと思う。
インディオキッズのかわいさがふろしきで包まれて背負われて育つところから
来ているんじゃないかと思うのは、外から観察してなんでも美化したがる、旅行者のエゴかもしれない。
クスコで泊まった民宿の兄弟。 もうかわいすぎて持って帰りたかった。 |
やんちゃなデイエゴ氏。 |
名前を聞いても教えてくれないので、 彼の口癖が「クアトロ!」(スペイン語で4の意)であることから、 僕がクアトロ氏と命名。 彼は車の絵や、蝶の絵を指差して 「クァトロ!!」と自信ありげに言う。 |
お母さんにあーんしてもらう、 クアトロさん。 |
僕のボウシをかぶるキャティーちゃん。 |
3階まで上がってきて僕の部屋に侵入してくる キャティとクアトロ卿。 |
靴下やさんでで出会った女の子。 |
靴みがきやさんと、その子ども。 |
土産もん屋のあかちゃん。 |
びっくりしてる。 |
長男とお母さん。 |
オーナーと僕。 |
4.モテる。
ペルーの女性に日本人男性がちょっとモテるというのは聞いたことがあった。
そして実際街を歩いていると、一緒に写真をとって欲しいとか言われたり、
日本に興味があると話しかけられたりした。
元大統領のフジモリさんの影響や
インディヘナと日本人の顔が似ていることが原因なのかなと思うが、
もちろん、悪い気はしなかったw
エヘヘ。
もっと書くことはある気がするが、早くアメリカ編に追いつきたいのでこの辺にしておきます。
よい年末を!!
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