2010年12月23日木曜日

12.5

12.5の朝7時、ボリビアの首都、ラ・パスに到着。
なんとも浅い眠りの移動だった。

ここラ・パスは世界で最も標高の高い首都である。
実力で劣るサッカーボリビア代表が、ここで行われた試合を、南米の強豪を相手に全勝するのは有名な話だ。 
富士山の頂上より高いところでサッカーはおかしいだろう笑
到着の少し前に丘から街を見下ろす景色はものすごかった。

バスターミナルに着いたその足で、翌日のチケットを購入するのが、神速移動の秘訣である。
自分がダラダラゆっくりしたい葛藤を、バスのチケットを先に購入して金銭の問題に置き換えるのだ。

僕は翌日の夕方4時のバス(60ボリ)で、ペルーのプーノに移動することになった。
ラ・パスも一泊かぁと、ため息を我慢して・・・。

ターミナルでおばあちゃんが物乞いしていた。
正確には物乞いさえしていなかった。

僕はトイレに行ったたかさんを待つ間、ずっとそのおばあちゃんを観察していた。

例えようのない悲しい顔をしていた。
世の中から見放されたような。
地面に座り込んだおばちゃんは水溜りの汚い水を鍋で汲み、
意味もなく地面にそれを置き、しばらく眺めまた水を元の地面まいた。

ぼろぼろの服を来たおばあちゃんの行動の、この脈絡のなさが、
妙に僕の心に刺さった。

よく見ると音もなく、涙を流していた。
それは新しい涙じゃなくて、何年も前からずっと出つづけているような涙だった。
絶望をちょうど絵にしたような。
無性に悲しくなった。

横の店で買って、バナナとリンゴをあげた。

僕は全くもっていい人じゃない。
そうさせたのは、おばあちゃんに同情した自分というよりも、
自分がその場所に存在するための言い訳を探すような自分だった。

それを証拠に、手渡すときに彼女の目を見れなかった。

ところで何でラパスの冒頭がこんな話なんだ。



気を取り直して。

たかさんとともに有名安宿、エル・ソラリオに移動する。
ラ・パスはかなりごちゃごちゃしているが、メインストリートなんて都会だ。
ここはフランス人、日本人がよく利用する宿で、6人ドミ一泊20ボリ(240円)、ただし水、時々お湯シャワー。情報たくさんあり。


僕は宿にチェックインしてすぐ、ネットでコロンビアのボゴタへの陸路を調べていましたが、
ここから全夜、車内泊にしても12月14日のボゴタ‐フロリダのフライトに間に合わないことが発覚。
とても、とても落ち込みました。


ここまで自分なりに頑張ってドロドロな陸路移動を続けてきましたが、リマ~ボゴタを飛ぶことになってしまいました。
航空券は高かったです。先見のない自分にがっくりです。



さてもう一度気を取り直して。
昼ごはんを、日本人会館にある、レストランで食べる。
カツ丼を注文。
最高。てか思い返すと、案外旅でてから日本食食べてるかも笑


そして夜はラ・パスのB級名物である、
日曜日の夕方のみ開催されるおばちゃんが出場するプロレスを宿で出会った人たちと見に行くことにしました。
長い三つ編みをしたインディヘナのおばちゃんがリングの上で戦うというのだから、
見に行かない手はないですな。

リングは、ラパスの丘の上、ローカル市場の隣にあります。
コレクティーボ(乗り合いバス1ボリ)に乗って会場へ。

到着した会場には現地人たちの大きな列ができています。
これは期待大です。
プロレスを生で見るのは初めてでした。

開始まで時間があるため、市場を散策したりしていました。
ラ・パスの街とそこに居合わせたおばちゃん。
お気に入りの一枚。
市場。
おばちゃんプロレスのチケット。
絵はなかなかセンスあります。

購入したチケットに関しては、
観光客である我々は、50ボリビアーノ(600円)という、
現地人よりかなり高い料金を払う代わり、
飲み物やおみやげ、そしてリングサイドの席という待遇でした。

観客は大入り。

始まると観客は大盛り上がり。
スペイン語のアナウンスにも力が入っている!!

そしてついに始まった!!
覆面のマスクまで購入した僕と気があった学はテンション最高潮。
学校休学して何しているんだと、
この写真見返してふと思いました。
最初は、よくわからないキャラクター同士のプロレスだった。
インディオおばちゃんはもちろんクライマックスを飾るのだ。

まずはこて調べということで見る。
ゴングが鳴ってから、一試合が終わるまでずっと考えていたのだが、
どう考えても遊んでるとしか思えない内容である。

なんか技を繰り出してはいるが、日本のプロレスと比べるのもよくないが、
めちゃくちゃ粗末だった。笑
プロレスというより、どちらかというとコメディだった。

二試合目は人気レスラー「ニンジャ ボリビアーノ」が出陣!!
ガイコツの衣装を着たレスラーと対戦。

ニンジャボリビアーノは一方的に殴られ蹴られのたうちまわっていた。
がしかし、最後に繰り出した足ではさむ技で逆転勝利をおさめた!!
ニンジャボリビアーノ見参!!

ボコボコにされる、
わが国の誇り。
観光客席にはけっこうレスラーが飛び込んできたりする。
またブーイングとして、リングにペットボトルやポップコーンを投げる。
なんでもありか。

いくつかの対戦の後、お待ちかねインディオおばちゃん登場!
相手はなんと、スーパーヒーロー、スパイダーマン from USA!!!

スパイダーマンの投げ技でおばちゃんが転げ落ちる。
インディオおばちゃんの定番スカートは幾度となく見事にめくれ返る。

この戦いの勝者どっちだったかな。
多分おばちゃんが勝った気がするw

アメリカの英雄をはがいじめにする
おばちゃん。


最後、男女のペアと、悪役の審判が入り乱れる死闘を演じて終幕するまで
コスチュームを変えたり覆面になったりして、同じレスラーが戦っていた。
おつかれさまでしたはい。

試合はそれはそれで楽しめていたけれど、僕が注目していたのは、
観光客の真剣なまなざしである。
レスラーたちの闘いに、見入っている。

観光客席は苦笑いしている場面でも、地元の人たちは真剣にブーイングを浴びせ、
応援しているレスラーが勝つと、もう年よりも子どもも皆本気で喜んでいる!
カウントが入るときなんかはもう、歓声が起こる。

この週一回のプロレス、地元の人は皆とっても楽しみにしてるんだなー。

僕はそれに気づいてから観客たちの反応が楽しかった。

最前列の席で僕たちは少しあきれたように試合を見ている。
僕のとなりに居合わせた南アフリカからの観光客はうんざりしたようにこうつぶやく。
「So ridiculous.」(馬鹿馬鹿しすぎるな。)

前も書いたが、そんなエンターテイメントっていうのが少なかった時代は、どの国にもあったはずだ。
洗練されたエンターテイメントに慣れきった人間は、楽しめないものが増えていく。

プロレスのレベルが何ほどのものかー!

エンターテイメント的に言って遅れたものでも、
ラ・パスの街の人が、大好きなプロレスを日曜日に見に来て、レスラーを応援している。
3800mの天空の街に住む彼らの数少ない娯楽なんだろう。

おっちゃんも、子どもも真剣な顔が、かわいい。

それを見れただけで十分やー。
みんな楽しんでました。
ぶれてます。くそカメラめ。

この三人が特にエキサイトしてました。
ラパスの夜景。
ボリビア人はここでプロポーズするんかな。

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