アスンシオンの町を歩いた。
チラベルトの国パラグアイの首都はかなり質素。
必要最低限って感じだ。
どこの国に行っても思うのだけれど、娯楽が少ない。
というか逆に、日本の街の娯楽の多さといったら半端じゃない。
日本の街を歩いてれば、ゲームセンター、カラオケ、ボーリング、漫画喫茶、映画館、試写室、携帯ゲーム・・・異常な数と種類が迫ってくる。
日本は確実に娯楽の種類においてはもう間違いなく、世界でいや銀河系でno.1だと思う。
でもその多くは、自己満足の形になってきていて。
娯楽の少ない国では、他の誰かと一緒に、トランプを外でやったり、おしゃべりが中心だったりする。
旅行者はこいつら、暇なんだなーって感想を持つことが多いけれど、
日中に、おしゃべりや外でするトランプが一番の娯楽だという素朴さと尊さは、たとえようがない。なぜか素敵にうつるんだなこれが。
日本の田舎に帰ったときに感じる感覚に近い。
日本で映画を見て、難しい顔であれやこれや批評している人は、貧しく見える。
タクシーの運転手は道端でマテ茶を片手に井戸端会議。マテ茶ってのは南米のソウルドリンク。
土曜日だったせいか、街のセントロに入っても人気が少ない。久しぶりにおちついた休日を過ごせそうだ。
ツーリストも一切見なかったので、街の人々は話しかけてくれたりして楽しかった。
会う人、素朴で、ほっとした。
パラグアイの落書き。 |
ホテル内山田。 |
パラグアイ通り。 |
チュロスめっちゃおいしい。 |
刺激的な街や見所のある観光地もいいけれど、歩調をゆるめて、立ち止まってチュロス売ってるおっちゃんと話したり、買い物とか考え事する。
こういうときは、自分の心も、街の落ち着きに沿って、あいつ元気にやってるかなーとか、荷物はパンパンなのに、おみやげでも買おうかなーみたいな気が起きる。
心の余裕も、バックパックの余裕も自分で作るものだ。
この日は自分が所属するサッカー部の一つ上の先輩たちがクラブから引退する日だった。
これまで通りすぎてきた世界のどこでも、平等に与えられる一日が、次々ともたらされ、去っていったのと同じだけ、日本でも同じだけの時間が流れている。
僕が部活と学校から暇を乞うて以来、大会もいくつかあって、お世話になった先輩たちも最後の大会を終えて引退したようです。
おめでとうございました。
4年間一緒にサッカーした先輩たちなので、なかなか寂しい気がした。
実は、今はこんな放蕩な僕だけれど、大学生活の多くを、週4回の部活動に割いてたのだと、思い返して少し驚いてみる。
高校も勉強とサッカーばっかりやってきたので、入学時にはもういいと強く思っていたけれど、結局入部して、大して上達していない泥んこサッカーを続けているのは、いい先輩たちや仲間に恵まれていたからだ。
僕は人見知りをするので、なかなか初対面がうまくいかないけど、その分友達とは長続きする気がする。
そしてよく考えれば、今でも親しくしている友達の多くは、グランドの上や校庭や他のどこかを、文字通り、一緒に走り回った人。
部活の時間的制約のせいで他にできなくなることも多いが、何かに向かって一緒に頑張る経験をしないと、大事な知己は得がたい、誰にでもあてはまるだろうけど、特に自分はその類の人間やな。
街を歩き買い物して宿に帰ると、wifiで日本の親友とスカイプした。
しかしパラグアイと日本の間でただで会話ができるなんてたいした世の中やなぁー。
日本では、あまりに毎日会うぐらいの仲だったもんで、話すのが久しぶりすぎて「あんま変わってなくてよかったわ」とまるで彼女みたいなことを言った。
大学も同じ、下宿先も同じ(僕が一方的に泊まってるだけ)、クラブも同じなら、バイト先も同じときた、僕の人生で寝食をともにしたランキングがダントツ一位の彼とは、一緒に車でアメリカを横断する予定で、とっても楽しみだ。
ボリビア行きのバス時刻が迫って来たので、電話を切って、バス停に向かう。
鍋すきうどん。 |
露店街 |
露店のおねえちゃん |
サーモの水筒を携え、 マテ茶を絶えず常備するドライバー。 画質の悪さにあきれる。 |
アスンシオンのバスターミナル。 南米の移動はまじで簡単。 |
これまた南米でよく見るファストフード。 パンにひき肉とか入ってる。 名前最近すぐ忘れる。 |
バスはアスンシオンのバスターミナルから、20時に出発。
道はパラグアイ側に関しては悪くはなかったように記憶している。
横が空席だったため、そこそこ快適。
なにせ記憶があいまいなのだが、24時くらいにバスはパラグアイ国境の出国審査に到着。
バスを降ろされて、眠たい目をこすって乗客たちと列に並ぶ。
そんなに長くない列だったのだが、時間がかかる。
荷物チェックとかも一切ないし、出国カードの記入さえない。
スタンプをポンと押すだけなのにわざわざ別室に呼んで、一人15分くらいはかかっている。
だいぶ北に来たので気温も高いし、列が進まない。
もしかして、スタンプを一人ずつ新たに彫ってるんじゃないかという疑念さえもったくらいだ。
珍しくイライラがピークに差し掛かったころ、僕の番が来た。1時間半くらい待ったかな。
ここでイライラを顔に出すほど、未熟な僕ではない。
入出国審査では、メリーな笑顔が一番の作戦なのだ。
ここ一番の笑みで、わからないスペイン語で話しかけられても、
ばかみたいにほがらかに笑っているのだ。
どうやら、スタンプをたんびに彫っているのではなくて、審査官が無類のおしゃべり好きなだけらしかった。
僕も当然いろいろスペイン語で聞かれたが、
果たして会話にならないため、僕は3分ほどで終了。
やっぱ笑顔なんですよ。
ってことで次は23カ国目、ボリビアでーす。
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