カトマンズを出発する朝。起きたのは7時半。
6時に起きるはずだったので少し寝坊した。
ゲストハウスにトレッキングに必要のない荷物を預けて、
8時前に出発。
ジリへの最終バスが8時半だということなのでまだ間に合うはずだ。
カトマンズで出会った出発日が同じだった、こちらも単独ジリ組トレッカーユウヒと共に宿を飛び出て、
急ぎ足で向かうと、8時40分発のバスに間に合った。(375Rs)
バスターミナル |
果物売りのおっちゃん。 |
外でチャイを飲んで、やはり遅れてバスは出発した。
最初がら空きだった車内はカトマンズ市内でこれでもかというくらいに客を拾っていく。
1時間のうちに10kmも進まなかった。
僕としても、今日はジリに移動するだけでいいので特に焦らない。
カトマンズには緑が少なく、車やバイクがまきあげる砂埃や、排気で空がかすんでいる。
市外に出ると、ネパール人たちの生活感があふれた村が窓の外を流れていく。
車の中は運転手の好みで流れてくるネパールの音楽。
できの悪い舗装道路のために揺れる窓にぶら下がったカーテンやおっちゃん達のカラフルなダカトピという帽子ののった頭、女性の長い髪の毛が、そのリズムに合わせて踊っているみたいだ。
エキゾチックな音楽で、これから都会のカトマンズから、
山奥の村へ向かっているという気分を増して、楽しくなってくる。
これぞ、アジアだっていう雰囲気。
僕は外の景色を見ながらしみじみした気持ちになっていた。
まるで日本を旅立つ日、空港に向かっているときのような晴れた気持ちで、これから出会う人や、景色に思いを馳せた。
乗客は皆親切で、言葉は通じなくても、目が会うと、微笑してうなづいてくる。
おーそうかそうかって。
しぶかったおっちゃん。 |
比較的大きな村もいくつかバスは経由し、そこで人々が乗り降りしたり、
バスの屋上に積んでる、大きな荷物や材木、バイク(乗っていけや)を降ろすのに、かなり時間がかかった。
周りのネパール人と話したり、写真を撮ったりして楽しんだ。
泊まったある街では、幼児にたいするポリオの経口生ワクチン摂取の大きなキャンペーンがやっていた。
目薬のような試薬入れを持ったナースのもとに、泣き叫ぶ赤ちゃんが口に垂らした一滴は将来、その子を小児麻痺から救うことになる。
まだ17才だというナースたちに囲まれてデレデレしていたが、
彼女たちはとても流暢な英語を話した。
日本のナースたちよりも語学力はあるみたいだ。
将来日本に来て研修する予定らしかった。
ナースたち。 |
羽交い絞めにされて、一滴飲まされる。 |
泣いてました。 |
バスは、排気を上げ、クラクションを鳴らす。
これが再集合の合図で、手持ち無沙汰そうにそれぞれ暇を潰していた乗客たちは、
のそのそとバスに集まり、やがてバスは発進する。
休憩で会った女の子。 |
荷物番のにーちゃん。 |
バイクを下ろす際に集まってきた野次馬の おっちゃんの服装シブイ。 |
皆助け合ってます。 |
次第に険しい山道へ入っていく。
それにつれて景色もいかつくなっていった。
こういう厳しい環境の中にも人の生活はあって、赤ちゃんを背負っておばちゃんが一人で山道を歩いている。
結婚式の行進にもすれ違った。
これから向かう山域が厳冬期だということを忘れそうな陽気が窓からもれてくる。
春霞なのか、ただの埃なのか、
深い谷に作られた棚田を見下ろすと白く霞んでいた。
今、自分がエベレストに近づいていると思いながら山を見ていると、何度も鳥肌が立った。
そこに赤い太陽が沈む。霞む太陽のせいで真っ白のなかで、
山に沈んでいるんであろう太陽の半円が際立ってきれいだった。
ユウヒも僕に負けず劣らずの感動屋で、横で声を上げていた。
まだエベレストも見てないのに、こんな感動していてコイツは大丈夫だろうか。
窓から撮った。 |
農村。 |
夕日です。 |
ジリに着いたのは18:30で10時間もかかってしまった。
ここが飛行機を使わない人たちが用いるトレッキングルートの起点の町だ。
ポリスのチェックを受けて、バッティと呼ばれる、宿泊とレストランを兼ねた安宿に入った。
夜はエベレストビールとチャーハンを食べた。
ルートの計画を立てていると、ガイドをしている人がたくさん情報を教えてくれた。
ネパール人の観光客っぽい4人のおっちゃんたちにネパールの酒を飲ましてもらった。
ネパールの焼酎であるロキシではなく、エルレとかなんとかいう、着火するような50度もあるお酒だったが、
景気づけにいただいた。うまかった。
山小屋で飲んだエベレストビール。 |
めっちゃええ時間やった。 |
ネパール人には民族がたくさんいるが、日本人と同じ人種の人たちも多いので、
かなり親しみやすいみたいだ。
少し盛り上がりすぎてベッドに行くのが遅くなった。
宿ではユウヒのipod touchで音楽を聴いた。
これからは電源がないので音楽もないし、本しか暇つぶしがなくなるからだ。
ユウヒが好きだというボブディランを聞きながら、
僕の今回のトレッキングのサブテーマは
「Knockin' on Heaven's door」にすることにした。
5000m以上は、過酷さもそうだし実際にも天に近いのだ。
ユウヒのテーマ曲は
「Like A Rolling Stone」に僕が強制的に決定した。
クレバス怖いなぁ。
雪用の装備ないなぁ。
どんな20日になるんやろう・・・。
あれこれ想像膨らましてる間に寝てしまった。
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